大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」
北村 慶

定価: ¥ 1,365
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発売日: 2008-01-12
発売元: PHP研究所
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人生を豊かにするための投資
自分が儲かるだけでなく、社会全体が成長できるような投資の仕方をはじめとした、人生を豊かにするための投資をする方法を、具体的に示してくれる名著です。
また、資産運用を始めるとよく耳にする、分散投資、ポートフォリオ及びリバランスといった用語についても、自分にとってどんなメリットがあるのかを具体的に分かり易く教えてくれます。
デイトレの様に、お互いの資産を削りあうような投資方法に疑問を持ち始めた方におすすめです。
本当の資産運用法
株のエキスパートが毎日株を売買するより、日経平均を愚直に定期定額購入していった方が運用成績が上がるという。
それを聞くと、毎日株の上下に一喜一憂するのがあほらしくなってくる。
それを知っただけでもこの本を読む価値はある。
当然それだけの内容ではなく、『何故資産を運用する必要があるのか』を現在の年金制度、一生の生活での必要資金の面などから教えてくれ、『どう運用すれば良い』のかが『具体的』に書かれている。
実際には、現在企業に勤める35歳のサラリーマンであれば、老後のために年金、退職金など以外に2500万円を貯めておく必要があり、それを貯めるには、7.25%の複利で運用すれば年間24万円の積み立てを30年すれば届く。そのためにはポートフォリオをしっかり考え、愚直に定期定額購入を続ければ良いと。
一読の価値があります。
但し、著者の「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」と8割方重複していますのでそれだけは覚悟しておく必要あり。
第5章がこの本のオリジナルの内容になっており、その内容は、具体的な投信の選び方です。すなわち、手数料の高い投信は買わないこと、究極のパッシブ運用商品はETFであること、それをベースにした手数料の安い、月々引き落としでの購入ができる信託を軸に考えるのが良いこと、などが書かれています。
年金制度に誤解があるのでは
前作「貧乏人のデイトレ、金持ちのインベストメント」で、日本において誤解が多いトレードとインベストメントの定義の違いを明確にした北村氏の功績は大きい。ただ、前作でも違和感を禁じえなかったのだが、日本の公的年金制度のアセットアロケーションを持ち出して論理展開するのはいかがなものかと思った。
日本の公的年金制度は修正賦課方式を取っている。公的年金制度には、個人年金保険のような積立方式と、世代間扶養の考え方に基づく税金のような性格の賦課方式に大きく分けられるが、それらをミックスした制度だ。
少子高齢化の進展により(もちろん運用難という問題もあったが)日本の年金積立金は減少トレンドを描いている。つまり、私たち現役世代が払っている公的年金保険料は将来の私たちのために積み立てているのではなく、多くの部分は税金のように現在の高齢者の年金のために使われているはずだ。
積立金が底を突くのは時間の問題と考えられ、そうなると保守的なアセットアロケーションを取るのはある意味当たり前のような気もする。自分たちのものではない積立金のアセットアロケーションをベースに私的年金を考え、日本株と外国株だけで運用を勧めている。前提が誤っていれば、読者にリスクを取りすぎさせてしまう危険があるのではないかと懸念している。
ここまで具体的に提案するのであれば、もう少し吟味された議論を期待したい。分散投資+長期投資の啓蒙書として期待しているので、次作はそのあたりにも突っ込んでいただきたい。期待が大きい分、今回は☆2つ。


